汗をかきやすい男性だけでなく、女性も悩まされることが多い水虫。水虫というと、不潔で臭いというイメージを持っている人も多いかもしれません。
たしかに水虫の人はそうでない人に比べて、足の臭いがキツくなることがあります。しかし本当に、その臭いの原因は水虫なのでしょうか? ここでは、水虫が原因で足が臭くなるのかその疑問を解消します。
そもそも水虫って何?
水虫とは別名「足白癬(あしはくせん)」とも呼ばれる、感染型の皮膚病で、白癬菌というカビの一種が、皮膚の角質や皮下組織を浸食することで皮膚が炎症を起こします。白癬菌は、人の爪や角質などのタンパク質を食べて繁殖する菌で、白癬菌が身体のどこかに付着して、繁殖しやすい高温多湿な状況(蒸れた状況)に置かれると水虫を発症します。
そのため、ジメジメしにくい手や太ももにできることもまれにありますが、革靴やブーツなどによって蒸れやすい足に症状が見られることが圧倒的に多い症状です。
水虫の症状は、菌が付着した部位にもよりますが、かゆみを感じることがほとんどです。足の裏や指の間にできたときは、赤くジュクジュクとした状態になったり、ふやけて皮がむけたりします。
さらに小さな水泡ができたり、角質が硬くなってひび割れたりするケースも見られます。爪に水虫ができた場合は、爪が白っぽくなったり縦線が入ったりします。
足が臭いのは水虫が原因?
「水虫の人は足が臭い」と聞いたことがある人は多いと思いますが、実は足の臭いの原因が必ずしも水虫というわけではありません。
水虫を発症する白癬菌そのものが臭いを発するのではなく、水虫を患うことによって、臭いを発生させるほかの雑菌が繁殖しやすい環境になることが原因です。足の裏から分泌される汗によって蒸れた状態が続き、臭いを発生させる雑菌が繁殖して臭いを発するのです。
また水虫になると、水虫を撃退しようと、皮膚からリンパ液が分泌されます。リンパ液は皮膚をジュクジュクした柔らかい状態にするため、ほかの雑菌に感染しやすい状態になってしまいます。このケースでも雑菌が増殖することで臭いが発生します。
水虫による足の臭いを防ぐためにできる対策
では、どうすれば水虫による足の臭いを防ぐことができるのでしょうか。根本から解決するには、水虫の治療が必要不可欠です。皮膚科で診察を受けたり市販の薬を利用したりして、水虫を治しましょう。
そのほかにも、日常生活におけるちょっとした心がけによって臭いの元である雑菌を減らし、臭いを予防することができます。
お風呂で足をよく洗う
足の臭いを防ぐには、足をつねに清潔な環境にすることが大切です。石鹸を使い、足の指の間までよく洗いましょう。家に帰宅してすぐ足を洗うようにすれば、雑菌が繁殖する前に臭いを予防することができるはずです。
足が蒸れやすいストッキングや靴は避ける
ストッキングは吸汗性が低く、非常に足が蒸れやすいです。高温多湿の環境になると白癬菌や雑菌が繁殖しやすくなるため、できるだけストッキングやブーツなど汗をかきやすいものは身につけないようにしましょう。
抗菌作用のある靴下を身につける
できるだけ通気性の良い靴下や靴を履き、菌が繁殖しにくい状態を保ちましょう。特に、吸汗性や吸湿性の高い綿や麻の靴下がおすすめです。
靴に中敷きを敷く、同じ靴を繰り返し履かない
足の裏の汗を効率よく吸い取るために靴の中に中敷きを敷き、こまめに取り替えてください。また同じ靴ばかりを履くと雑菌がどんどん増えていってしまうので、いくつかの靴をローテーションして履くようにしましょう。
除菌シートで足の裏をこまめに拭く
もし「足が汗をかいてきたな」と感じたらこまめに靴と靴下を脱いで、除菌シートや抗菌スプレーを使用して足の裏に付着する雑菌を取り除きましょう。
このように、直接の原因ではないにしろ水虫と足の臭いには密接な関係があります。水虫を治療することは、足の臭いを減らすことにもつながります。足を清潔な状態に保って菌の増殖を抑え、臭わない足を目指しましょう。