美しく引き締まったボディラインは女性たちの憧れ。いつの時代も、さまざまなダイエット方法がメディアを賑わしています。近年では、糖質(炭水化物などを含む)を控える「糖質制限ダイエット」が注目されていますが、実はこのダイエット法が、イヤな体臭や口臭を引き起こす一因となっていることをご存知ですか?
ここでは、糖質制限ダイエットが原因の臭いやそのメカニズム、気になる予防法などについてお話しします。
糖質制限ダイエットが体臭の原因になる理由
糖質制限ダイエットは、ご飯やパン、パスタなどの糖質の摂取を制限するダイエット法です。
生命活動のエネルギー源となる糖質が極端に不足すると、私たちの身体は肝臓で脂肪を分解して、代わりのエネルギー源を作ろうとします。このとき、脂肪は「ケトン体」という物質に作りかえられるのですが、ケトン体に含まれる物質のひとつである「アセトン」こそが臭いの原因だとされています。
糖質制限によってケトン体の量が増え過ぎると、体内では燃焼しきれなくなり、やがて尿や汗、呼気などにアセトンが混じり出します。それが体臭や口臭となって周囲に発散されるのです。この臭いは「ケトン臭」、「ダイエット臭」などと呼ばれています。
糖質制限ダイエットが原因の体臭や口臭
糖質制限ダイエットが原因と考えられる体臭や口臭には、以下のようなものがあります。
乳酸の増加による体臭
無理なダイエットでストレスや疲れがたまると、体内で乳酸がたまり、それが血液中や汗中に流れ出ると言われます。乳酸はアンモニアと結びつきやすいため、汗中の乳酸濃度が高まると同時にアンモニアも増加し、汗にアンモニア臭が交じってしまうのです。
唾液の減少による口臭
空腹状態になると唾液の分泌量が減少します。唾液には口内細菌の繁殖を抑える働きがあるので、分泌量が減ると細菌が増加し、口臭の元になるガスを発生すると言われています。
糖質制限ダイエットが原因の体臭や口臭の臭いって?
糖質制限ダイエットによって発生するケトン臭は、熟しすぎたリンゴのような甘酸っぱい臭いだとされています。
ただし、自分の体臭や口臭は常に嗅いでいることで慣れてしまう人が多く、なかなか気づきにくいものです。自分が臭っていないかどうか気になるときは、親しい人や家族などにチェックしてもらうと良いでしょう。
体臭が悪化しないダイエット方法とは
ケトン臭を防ぐには、極端な糖質制限をしないことが重要です。 いきなりご飯やパンなどの炭水化物がない食卓を目指すのではなく、まずは主食を減らし、次に夕飯のみ主食を抜き……というように、緩やかにハードルを上げていくと良いでしょう。
また、糖質制限だけでダイエットを行うのではなく、ウォーキングなどの有酸素運動や筋肉トレーニングなどを取り入れることも効果的です。有酸素運動や筋トレによって基礎代謝が高まれば、ケトン体は体内できちんと燃焼され、汗や呼気に交じることも少なくなるはずです。
基礎代謝を上げることは太りにくい身体作りにも繋がるので、ダイエットはますますはかどることでしょう。
辛い糖質制限ダイエットでせっかく理想のボディを手に入れても、体臭や口臭が気になってはオシャレをして人前に出ることも楽しめません。身体にも心にも無理のないダイエットを心がけましょう。