新年会から忘年会まで、1年を通してたびたび訪れるお酒の席。苦労を共にする仕事仲間や親しい友人と飲むお酒は、とてもおいしいものです。そんな宴席の翌朝、なんだか自分の身体が臭く感じた経験はありませんか?
おいしいお酒も体内に入ると、キツい体臭の原因となることがあるのです。アルコールによる体臭には、どんな理由があるのでしょうか?
アルコールが体臭の原因になる理由
アルコールは、主に以下のような理由で体臭になると言われています。
アルコール自体の臭いが強い
アルコールにはそれ自体に嗅覚を刺激する強い臭いがあり、体内に入ると呼気に交じって周囲に放出されます。これが、普段は気にならない自分の体臭や汗の臭いと交じるとさらに強烈な臭いになることもあると言われます。
アルコールが発汗を促進する
アルコールは、血管を拡張させて発汗を促す働きがあります。さらに、体温調節中枢にも働きかけて体温を上げてしまうため、汗をかきやすくなるのです。汗をかくことで雑菌が繁殖しやすくなり、やがて体臭の原因となります。
アルコールの分解による臭い
摂取したアルコールが肝臓で分解されると「アセトアルデヒド」と呼ばれる物質になります。これは二日酔いの原因とされる物質で、モワっとした不快な臭いをもっています。
そして、アセトアルデヒドがさらに分解されたものが「酢酸」です。酢酸は鼻がツンと痛くなるような刺激臭を放ちます。
アセトアルデヒドも酢酸も、通常は尿として排泄されますが、量が多いと尿だけでは排出しきれず汗や呼気にも交じり、体臭や口臭となるのです。
少量のアルコールなら体臭予防につながることも
イヤな体臭の原因となるアルコールですが、それはあくまでも飲み過ぎた場合のみ。少量をたしなむ程度であれば、逆に体臭予防にひと役買ってくれることもあると言われています。
そのひとつが「ストレス発散効果」。
通常、私たちはストレスを感じると体内で乳酸が作られ、これがアンモニアと結び付いてイヤな体臭を放ちます。しかし、適度なお酒を飲んでストレスを発散させれば体臭の予防が期待できるのです。
もうひとつは「抗酸化作用」。
私たちの体内では日々「活性酸素」が作られています。活性酸素は身体を守るために必要な物質ですが、紫外線などの影響で増えすぎると、細胞や体内の脂肪分が活性酸素と結び付き「過酸化脂質」となり、これが体臭の原因となります。
アルコールは活性酸素を減らす「抗酸化作用」が期待できるので、体臭を防げるというわけです。
ただし、いずれの場合もアルコールは少量でなければいけません。特に活性酸素は、多量のアルコールを摂取すると逆に増えてしまうので要注意です。
アルコールを飲んだ翌日の臭い対策
アルコールによる体臭や口臭は、自分だけでなく周囲の人々をも不快にさせます。しかし、社会人になると仕事のお付き合いで飲酒せざるを得ないことも多いもの。臭いを翌日に残さないためには、どんな方法があるのでしょうか?
アルコールの摂取量を控える
体内で分解しきれずに残ったアセトアルデヒドと酢酸の臭いを予防するには、分解できるだけの量を摂取すれば良いのです。深酒はやめ、気分がよくなる程度の酒量に留めておきましょう。
お酒の席での食べ物に注意
お酒を飲むとついつい食が進んでしまうもの。いくらお酒を控えても、食べ過ぎて胃や腸に負担をかけると体臭は悪化してしまうので、苦しくなるほど食べるのは厳禁です。
特に、牛肉や豚肉、揚げ物など脂っぽいものは体臭に影響しやすいため、お酒の席ではなるべく避けましょう。
また、二日酔いに良いとされるシジミに含まれる「オルニチン」は、肝臓の働きを助けるほか、体臭を予防する効果も期待できるようです。 シジミのみそ汁などシジミを使った料理がメニューにあれば、ぜひ食べておきましょう。
二日酔いに効くサプリやドリンクを飲む
二日酔い対策用のサプリやドリンクには、肝臓の働きを助ける成分が含まれると言われています。肝臓がアルコールをすばやく分解、解毒してくれれば、翌日の体臭への影響を減らすことができるでしょう。
たくさん水を飲む
水を飲んで尿を出せば、臭いの原因となるアセトアルデヒドや酢酸も一緒に排出されていきます。
体臭予防にはさまざまな方法がありますが、一番良いのは適量のお酒を楽しむこと。自分も周囲も、みんなが笑顔になれるような宴席を楽しみたいものですね。