「妊娠してから体臭がキツくなった……」そう感じている妊婦さんは多いようです。臭いの個人差はありますが、妊娠によって生じる身体の変化が体臭を変える原因となることは、紛れもない事実だと言えます。ここでは体臭が変わる理由と、その対策について紹介します。
妊娠すると汗をかきやすくなる?
妊娠すると、ホルモンバランスの変化によって体温が上がり、新陳代謝も高まると言われます。さらに、お腹が大きくなるにつれて胸や腹部の体脂肪も増加するため、どうしても汗をかきやすくなるのです。発汗量が増えると、雑菌が繁殖しやすくなるため、当然体臭もひどくなりがちです。
また、妊娠中は通常の汗を出すエクリン汗腺だけでなく、わきがの原因となるアポクリン汗腺も活性化することがあるようです。アポクリン汗腺から出る、たんぱく質などを含んだ分泌物は、雑菌が付着することで独特のわきが臭を放ちます。分泌量が増えれば、わきがのような臭いを発するようになってしまうのです。
妊娠すると便秘になりやすい?
便秘は、キツい体臭を生む要因のひとつだと言われています。腸内の老廃物=便には腐敗物が含まれており、排泄されず腸にとどまるとやがて腐敗が進んで悪臭ガスが発生します。
このガスの一部は腸壁から吸収されて血液と混ざり、やがて汗や皮脂と一緒に毛穴から分泌され、キツい体臭を生み出します。では、なぜ妊婦の方は便秘になりやすいのでしょうか?それには3つの理由があると考えられています。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠するとホルモンバランスが乱れて自立神経失調症に近い状態になり、腸の機能を低下させ便秘を招くと考えられています。
子宮が腸を圧迫する
妊娠して子宮が大きくなると、近くにある腸を圧迫します。それにより便意を感じにくくなったり、腸の働きが鈍くなったりすると言われます。
妊娠中は臭いに敏感?
つわりの時期、ほとんどの妊婦さんは臭いに敏感になります。これは有害なものから母体と子どもを守るための反応だという意見がありますが、その影響で嗅覚が研ぎ澄まされ、それまで何とも思わなかった自分の体臭が急に気になり出すことがあるのです。
しかし、注意すべき点は、臭いが気になる=悪臭を放っているとは限らないということ。あなたが自分の体臭を不快に感じたとしても、自分以外の人にはまったく気にならないレベルの臭いかもしれません。体臭を気にし過ぎてストレスをためると、それが体臭の原因になってしまう可能性も。
妊娠時はどうやって体臭対策をする?
妊娠中は激しい運動ができないため「たくさん汗をかいて老廃物を出す」ということができません。発汗量の増加に悩んでいる妊婦の方は、タオルや市販の汗ふきシートでこまめに拭き取りましょう。
外出時に拭きづらいワキや胸の汗には、汗取りパッドや制汗剤を活用するのもおすすめです。いずれのアイテムも、薬局やインターネットの通信販売で簡単に手に入ります。
便秘による体臭に悩んでいる妊婦の方は、お通じを良くするとされる「食物繊維」が豊富な食材を食べましょう。食物繊維には海藻類などに含まれる「水溶性食物繊維」と、根菜類などに含まれる「不溶性食物繊維」があり、2つをバランスよく食べることが大切です。
また、炭水化物の一種である「オリゴ糖」は、腸内環境を整える効果が期待できると言われます。味噌、バナナなどに含まれるほか、サプリメントも売られているので、毎日の食生活に加えて見てはいかがでしょうか。
妊娠中の体臭変化は多くの妊婦の方が経験する道。しかし、その原因を知り早めに対策を講じれば、改善に向かうことができます。上記の記事を読んで、快適な妊婦ライフを過ごしましょう。