汗を通常より多くかいてしまう多汗症ですが、この症状は比較的高い割合で発症している人が多い疾患です。俗に手汗と言われている手掌多汗症も、人口の5〜6%の人が発症していると言われています。まだ発症していない人をあわせると10%を越えるので、手掌多汗症になる可能性は高いですね。
今はまだ手汗が多くない、悩みはないと言う人も、いずれ手汗で悩む時が来るかもしれません。何も対処を知らない状態で手汗が多くなってしまうと、汗の多さに焦り混乱してしまうでしょう。
そうならない為にも、手汗対策を一つの知識として知っておく事も必要になってきます。
手汗の対策法
手汗=手掌多汗症の対策方法は様々な物があります。市販のデオドラント商品で対策する方法や、民間療法で対策をとる方法もあります。ただ、症状によってはこれらの対策では事足りませんので、しっかりと専門のクリニックで対策をとる事が望ましいでしょう。
対策方法としては、
『アルコールで良く手を拭く』
揮発性の高い市販のアルコール除菌等で手を拭く事で清涼感を感じ汗を少し抑える事ができます。
『食生活に気をつけてみる』
辛い物を食べると発汗が増えてしまいます。タンパク質やカフェイン等も同じような効果がありますので、少し控え目にすると良いでしょう。変わりに、大豆製品やアボガド、モヤシ等はホルモンバランスを整える事が出来るのですすんで摂取すると良いでしょう。
『つぼを押して対策する』
合谷と言うツボが効果的です。これは、手の親指と人差し指の付け根部分より少し親指側にあるツボです。このツボは色々な効果があり、手汗にも効果的ですし、お腹の痛みを和らげる事も出来ます。このツボは多汗症だけでは無く他の事でも活躍しますので、覚えておいてください。
上記の対策はお手頃な対策です。簡単な手汗には効果を発揮するでしょう。しかしながら、重度の手掌多汗症には効果不足だと言っても過言ではありません。
中軽度でも重度でも、一番の対策はしっかりと治療を受けると言う事です。治療を受ける事でしっかりと、そして短い期間で手汗から解放されるのです。
クリニックでの治療
専門のクリニックでは段階に応じ治療をする所が多いですね。軽度であり、経過を見るようであれば飲み薬等で一時的に汗を抑える方法や、緊張をしない様に精神安定剤で緊張感をあまり感じさせない様にするケースもあります。
中、重度の場合は、ボトックス注射や胸腔鏡下交感神経節遮断術、汗腺の除去と言う方法がとられます。ボトックス注射は患部に「ボトックス」と言う薬液を注入し、汗腺の活動を完全に停止させます。
わきがの治療にも使われる事がありますが、効果は絶大です。ただし、効果持続期間が短く、4カ月〜5カ月程の間隔で注射を打ち続けなければなりません。
胸腔鏡下交感神経節遮断術は胸部にある交換神経の伝達を止め、「発汗せよ」と言う指示を停止させます。こちらも効果は高いのですが、まれに別の場所での発汗「代償性発汗」が起きますので、注意が必要です。
汗腺を除去する方法は、切開をせず除去していく方法です。この方法は、超音波を使い汗腺を除去していきます。超音波を受けた汗腺は熱焼却され活動を停止します。
「ビューホット」や「ペアドライ」と言う治療名です。メリットとして傷跡が無く見た目も綺麗に仕上がります。ダウンタイムも短い事、治療にかかる時間が短い事がメリットです。
切開をしないでしっかりと除去が出来るのか?と思う人もいると思いますが、汗腺の除去率も非常に高く、ほぼほぼ一回の治療で取りこぼしなく除去出来る事もこの治療のメリットです。
色々な治療方法がありますので、度合いに関わらず専門のクリニックでしっかりと治療を受ける事で、より適切な治療を受ける事ができます。
治療の第一歩はクリニックに行く事です。高い効果を得る事が出来ますので、クリニックへ足を運ぶようにしましょう。