体臭ケアの基本アイテムと認知されているデオドラント剤。夏はデオドラントスプレーが欠かせない! という方も多いのではないでしょうか。しかし、このデオドラント剤が原因で、わきが臭や体臭がひどくなるケースがあります。
今回は、わきが臭がデオドラント剤で悪化する理由と、使用する際の注意点についてご説明したいと思います。
デオドラント剤のせいで体臭がきつくなるって本当?
デオドラント剤とわきが臭の関係を考える時、まず押さえておきたいのが、「デオドラント剤は二種類に大別できる」ということ。それぞれの種類の特徴を簡単にまとめると、以下になります。
1.汗に含まれるタンパク質に反応して凝固し、毛穴や汗腺を塞いで、汗の分泌を抑制するタイプ
2.殺菌作用で細菌や雑菌の増殖を防ぐタイプ
この2つのうち、特に気をつけたいのが2の殺菌タイプのデオドラント剤。最近では、殺菌力の強さを謳ったデオドラント剤がたくさん販売されていますが、実はこのタイプはわきが臭や体臭をひどくしてしまうことがあると言われています。
体臭の原因は、皮膚や体毛に汗や皮脂が付着し、雑菌、細菌が増殖することにあります。そのため、殺菌力のあるグッズでケアをするのは有効ですが、殺菌力の強すぎるデオドラント剤を常用すると、皮膚の表面にいる正常な細菌まで殺してしまい、より強い雑菌や真菌(カビ)が発生しやすい環境になってしまう場合があります。結果として、わきが臭がきつくなってしまうことも。
またわきが臭をごまかすために、香りつきのデオドラント剤を選ぶ人もいますが、これもNG。わきがのような強い体臭に他の匂いが混ざって、異臭となってしまうケースが少なくありません。体臭が強い人ほど、無臭タイプを選ぶことをおすすめします。
デオドラント剤の上手な選び方
デオドラント剤を選ぶ際に念頭に置いておきたいのが「わきがの程度によって、選ぶべきケア用品が変わる」ということ。まずは自分の体臭の強さを、以下の方法で確認してみてください。
耳垢を確認する自己判定法
用意するもの:綿棒
判定方法:綿棒で1回外耳道をこする
判断基準
1.キャラメルが溶けたときのような耳垢がつく…強度のわきが臭
2.綿棒がただ湿った状態になる…軽度~中程度
3.かさかさした乾燥タイプの耳垢が付着する…わきがの可能性はほぼない
わきがの原因とされるアポクリン腺は、耳の中にも多いと言われています。そのため、耳の中が湿っているということは、それだけ汗が分泌されているという証拠になり、耳と同様にわきの下にもアポクリン腺が多くあると判断することができます。 (この確認方法はあくまで1つの目安であり、わきがの強度を正確に判定するものではありません)
この方法で強度のわきがだと判明した場合は、殺菌作用が強い成分である「塩化ベンザルコニウム」、「銀」などが配合されたタイプが適しています。さらに、軟膏、スティックタイプは効果が持続するのでおすすめです。
軽度~中程度の場合は、「イソプロピルメチルフェノール」などのマイルドな殺菌成分が配合されたスプレータイプがおすすめ。
かさかさタイプの人は、植物性エキスが配合された消臭作用のあるウェットティッシュを使い、小まめにわきを拭くだけでもOKです。
デオドラント剤は手軽に使える体臭ケアグッズですが、使い方を誤ると逆効果になることも少なくありません。
また、汗腺の汗孔(汗の分泌口)を防いでしまうため、体温調整の面から考えると身体に良いものとは言えませんので、使用範囲はわきや足など局所に留めることをおすすめします。