ひと口にわきが対策といってもさまざまなやり方がありますが、その中でも手軽な方法として知られているのは「アルコール消毒」でしょう。
一定の効果が見込めるやり方なので、わきが対策のひとつの手段としておすすめです。ただしアルコール消毒をする際は、いくつかの注意点があるので、きちんとした知識を身につけておきましょう。
アルコール消毒がわきがに効果がある理由
アルコール消毒がわきが対策に有効なのは、臭いの元となる雑菌を取り除くことができるからです。わきがの臭いは、わきに集中する「アポクリン汗腺」という器官から分泌される汗の成分と、皮膚に存在する雑菌が結び付くことで発生します。
汗そのものに臭いはありません。雑菌が汗の成分をエサとして増殖することで、あのわきが独特の臭いが起こります。つまり雑菌を減らせば、臭いはやわらぐはずなのです。
そこで有効な方法がアルコールによる消毒です。アルコールの殺菌力はとても強く、90%程度の雑菌を消滅できると言われています。
しかも塗布してから数10秒で効果が現れるため、即効性は高いと考えられます。外出先で臭いが気になったときや、これから人と会う予定があるときの応急処置には最適でしょう。
わきがにはどんなアルコールを使ったら良いの?
わきが対策として使用するアルコールは、ドラッグストアなどで市販されている消毒用のアルコールで基本的には問題ないでしょう。
これは、一般的にエタノールやイソプロピルアルコールなどと呼ばれているもので、エタノールの方が広く一般的に使われています。エタノールは濃度が40%くらいから殺菌効果が飛躍的に現れ、70%で殺菌効果が特に高くなると言われます。
そのため、濃度が70%前後のエタノールを使用すれば、わきの臭いを効果的に殺菌できるでしょう。ただし、人によっては強いアルコールで肌が荒れることがあるので、自分の肌にあった濃度のエタノールを使用してください。
近年は、保湿成分が配合された手用の消毒用アルコールやエタノールもあります。使う際はコットンなどに液体を含ませて、軽くわきの下に当てるようにするだけでOKです。擦らずに毛穴に押し込むイメージでわきを押さえましょう。
アルコール消毒をする際の注意点
ここまで、アルコールの殺菌効果について説明をしてきました。ただしアルコール消毒も万能というわけではありません。使用時には以下のような注意点があります。
効果が持続するのは2時間程度
アルコールの殺菌力は強力ですが、菌の繁殖力も同様に強力です。90%近く殺菌しても、残った雑菌が繁殖していき、やがて元の数にまで戻ります。アルコールによる殺菌は、あくまでも一時的な臭いの対策方法です。効果が持続するのは2時間程度と理解しておきましょう。
肌荒れのリスクがある
効果の持続時間が短いからといって、1日に何度も消毒するのはおすすめできません。アルコールを皮膚に塗ると、蒸発する際に肌の水分まで奪ってしまいます。使用しすぎると肌が乾燥してボロボロになったり、かゆくなったりする可能性が高いので注意してください。
服についた臭いはなかなかとれない
肌の臭いはアルコール消毒によってやわらぎますが、下着や衣服についてしまったわきがなどの臭いはなかなかとれません。たとえわきをアルコール消毒をしたとしても、服についた雑菌が繁殖して臭いが発生することもあるので、服に臭いがついてしまった場合はできるだけすぐに着替えましょう。
アルコール消毒は、緊急時のわきが対策として大変有効な方法です。しかし肌荒れのリスクがあり、また根本的な臭いの解決策にはならないため、外出先などシーンに合わせて使用してください。根本からわきがを解消したい場合は、クリニックに相談してみましょう。