わきがと聞いたとき、あなたはどのような臭いをイメージするでしょうか? 酸っぱい香りやツンとした刺激臭が一般的ですが、じつはわきがの臭いのタイプは人それぞれ異なります。ここでは、わきがの臭いの種類について紹介していきます。
こんなにあった!? わきがの臭いの種類
わきがの臭いの種類を以下でいくつか見ていきましょう。
酸っぱいタイプ
これはわきがの代表的な臭いで、鼻にツンとくる酢のような刺激臭です。汗をかいた後の臭いを凝縮したような酢酸臭で、不快感はほかの臭いに比べるとかなり高め。別の臭いと混ざって、より強力になるケースも見られます。
玉ねぎタイプ
このタイプは玉ねぎや長ねぎといった、ねぎ類を刻んだときに感じる臭いです。生臭さと刺激臭が混ざった独特な臭いで、場合によっては甘ったるい腐敗臭が混ざることもあります。
鉛筆の芯タイプ
これは、鉛筆の芯をたくさん集めてすりつぶしたような臭いです。そこまで不快感は高くないため、本人だけでなく周りも気づかないことがあります。わきがの症状があまりひどくない人に多く見られるタイプです。
香辛料タイプ
これは、カレー粉のようなスパイス系の臭いです。クミンと呼ばれる香辛料のようなピリッとした独特な臭いで、よく「粉っぽい臭い」と表現されます。
発酵品タイプ
この臭いは、チーズや納豆のような発酵臭です。汗をかいてわきが湿り、熱がこもっているときによく感じられます。そのためわきがの人は、症状の度合いに関係なく少なからずこの発酵臭を持っていると言われています。「雑巾の臭い」、「生乾きの臭い」と言われることもあるタイプです。
同じわきがでも臭いに違いが出る理由
わきがは、わきに集中している「アポクリン汗腺」から出る汗と、皮膚に常在している雑菌が結び付いて起こります。そしてアポクリン汗腺から分泌される汗には、実に多くの成分が含まれているという特徴があります。
その成分はタンパク質や脂質をはじめ、糖質やステロイド、アンモニアや鉄分などさまざまな種類があります。さらに各成分と結び付く雑菌も、コリネバクテリウム菌やジフテロイド菌をはじめいくつかの種類に分けられます。汗に含まれる成分と雑菌、それぞれの種類や量が人によって異なるため、わきがの臭いにも個人差が出てくるのです。
また、わきにはわきが独特の汗を出すアポクリン汗腺以外に、運動をした後などに出る汗を分泌するエクリン汗腺も存在します。食事の内容や皮膚の環境、ストレス状況などによっては、わきがの臭いほど強くはありませんがエクリン汗腺から出る分泌物が臭いの元となるケースも少なくありません。
アポクリン汗腺の量は人によって異なるので、同じタイプの臭いでも臭いの度合いが変わることもあります。上記を参考にして、自分の臭いを確かめてみてください。もし「自分はわきがかもしれない……」と不安になったときは、一度クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。