どの季節になっても臭いの悩みは尽きません。全く知らない人と接する時、その人が臭いが強かったら気になってしまいますよね。
もちろん!知らない人と会う時は臭いの身だしなみも気にするのが大半を占めていると思います。ただ、その中でもどうしても避けられない臭いがあります。
それが「腋臭症(わきが)」の臭いです。わきがは気をつける事は出来ても、完全にニオイを隠す事は難しい病気です。では、一体日本ではどれくらいの人が腋臭症(以後わきが)を発症しているのでしょうか?
わきが人口
日本人のわきが人口は約10%〜多くても15%位とされています。
割合だけみると多くは無いと思いますが、日本人の人口1億2千500万人と比較をしてみましょう。そうすると、仮に多めの15%とすると「1千8百75万人」となります。数字にすると結構いますよね。
30人の職場だと4.5人居る事になります、そう考えると結構いますね。実際は多い場合の統計なので、多少のズレはあります。ですが、数で見てみると、少なく見積もっても他人ごとではない事が分かります。
家族全員がわきがの事も
統計では、15%となりますが、場合によっては家族全員わきがの家もあります。家族のわきが率は100%となります。これは大げさに言っている訳ではなく、しっかりとした理由があります。
知っている人もいるかもしれませんが、実はわきがは遺伝します。遺伝すると言う事は家族全員わきがである可能性は大いにあります。さらに、実際「わきが遺伝子」を持っていても、腋臭症を発症しない人もいます。
これを強いて名前を付けるなら「隠れわきが」と言うところでしょうか。その「隠れわきが」の人も、日々の食事によって臭いが強くなり、腋臭症を発症してしまう事があります。
脂分の多い食事や外食が多いとバランスが崩れ、体臭もきつくなってしまいます。「隠れわきが」の人も、一生腋臭症を発症しないまま生涯を終える人もいるでしょう。
わきが対策
わきが対策として手軽に出来るのが、市販のデオドラント商品での消臭!だと思っていませんか?
実は、わきがの臭いは軽度であればまだしも、軽度でない場合はデオドラント商品を使うと余計に臭いがひどくなってしまう事が多いです。これはデオドラント所品を否定している訳ではありません。
今販売されているデオドラント商品は、良い匂いで体臭を隠すものが殆どです。ですが、それは臭いの元を断つ訳ではなく、他の臭いで誤魔化している。と言う状態です。
臭いを匂いで重ねてしまうと、余計酷いになってしまうと言うのは想像しやすいかと思います。分かりやすく言うと、香水をたくさんつけたお母さんが来る授業参観と言うのが近いと思います。良い匂いの香水も、色々なニオイが沢山集まると頭が痛くなってしまいます。
本来、わきがは汗腺のアポクリン腺にあります。アポクリン腺から分泌される液を、身体に常駐している常駐菌のバクテリウムが、アポクリン腺の分泌液を分解する時に発するニオイがわきがの臭いになります。
つまりわきがのニオイを消すには、アポクリン腺を無くすか、常駐菌のバクテリウムを無くすかの二通りになります。ですが、バクテリウムを完全に無くしてしまうと、常駐菌のバランスが崩れ他の皮膚症をおこす事も考えられます。
常駐菌は意外にも重要な役割もありますから、そう考えるとバクテリウムを殺菌してしまうのは的策では無いかもしれません。そうなると、アポクリン腺を除去するのが一番効果的な事が分かります。
アポクリン腺対策
原因が分かった所で、アポクリン腺対策を考えてみましょう。アポクリン腺対策としては、分泌液を出さなくさせるか、アポクリン腺自体を無くしてしまう方法が現在の主な治療方法です。
例えば、メスを使い脇の下の皮膚下にあるアポクリン腺を目視で確認し、切除して除去する方法です。これは確実にアポクリン腺を除去出来ますが、傷跡が目立つので気になる方には余りオススメ出来ません。ただ、医師の腕に左右されてしまうものの、確実に除去出来るのは間違いありません。
他にもボツリヌス菌から作られたボトックスと言う治療薬を脇に注射器で直接注入し、アポクリン腺の活動を抑えてしまう方法もあります。これもアポクリン腺からの分泌は無くなるので、臭いの元であるアポクリン腺を停止させます。
ただ、この治療法は定期的(約4カ月か半年程度)に一回注入する必要があるので、一回やれば永遠に治る!と言う訳ではありません。治療への根気が必要になって来ます。
近年メジャーな治療法になっているのが、超音波や高周波でアポクリン腺自体を除去してしまう治療方法です。「ビューホット」や「ウルセラドライ」と呼ばれる治療法がそれに該当します。
これは、傷も目立たなくほぼ永久的にアポクリン腺を除去出来るのが特徴です。ただし、これも医師の腕により正確さが変わって来ますので、医師選びは重要になります。その分効果は高いので、治療を受ける人の割合はかなり高く、近年多くの人がこの治療法を選んでいます。
どの治療法にも言える事ですが、重要なのは経験豊富で腕の良い医師を選ぶ所にあります。中々難しい所ですが、複数の医師の診断を受けてみるのが良いと思います。治療への道は難しいと思いますが、是非納得行く治療を受けてほしい所です。